B様邸建築日記 建て方編

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まさかの、雪!!

本日から大工さんの作業を始める予定でしたが、急遽明日に変更しました。基礎内部に雪解け水が少し溜まっていたので、掃除機で吸込みました。材料の配達は変更できなかったので荷受けも行いました。前面道路の雪かきも行いました!!これで大工さんも気持ちよく現場作業に入れます。

大工さんスタート!!

本日から大工さんが現場に入りました。まずは、土台から。大工さんは、もう20年ぐらいの付き合いのある親方で、ツーバイ一筋うん十年の職人さんです。ツーバイ大工は昔、プレハブ大工なんて皮肉られていた時代からやってます。日本のツーバイメーカーの仕事は殆ど経験しています。今は、息子と孫と親子3代で仕事をしています。

弊社ではいつも、この大工さんに依頼しています。技術のある同じ大工さんであれば、家の品質にばらつきが無くなるのです。

この写真の注目点は、土台と基礎のチリです。土台とその下の基礎の間隔をご覧ください。一定です。基礎が曲がっているとこの間隔が、狭かったり広かったりします。大工さんは、基礎に合わせて土台を乗せません。図面に合わせて土台のを乗せているので、基礎が曲がっていると直ぐに分かってしまいます。

土台と基礎は、アンカーボルトで緊結されています。アンカーボルトの位置も土台のほぼ真ん中です。

すなわち、この基礎は、狂いの無い基礎であり、且つボルトの位置も正常であるという事です。大工さんいわく “この基礎屋さん上手いよ”と言うぐらいなので100点でしょう!!

殆どの会社の基礎は土台を置くと多少は曲がっているようですよ。

この写真の注目点は、基礎表面がツルツルである事です。(基礎の床は、言うまでも無く2度均しているのでツルツルです)基礎の立ち上がりにジャンカと言う、ザラザラが無いのです。コンクリートの打設が上手く行かないと表面にジャンカが発生します。とてもキレイな表面です。基礎屋さんもいつも同じ会社に依頼しています。

アメリカのツーバイは、この土台の上に、2×6の床根太を流すのが一般的です。しかし、この方法ですと、建物の高さが上がってしまい、北側斜線に干渉してしまいます。建物を南に移動すれば解決できますが、限られた日本の土地ですと庭先が狭くなってしまうので、不向きだと思います。

防蟻工事

本日は、朝一番で防蟻材を土台と大引きに塗布をしました。土台と大引きには、既に防蟻材が加圧注入されていますが、シロアリの保証を付ける為に防蟻工事を行っています。防蟻材は、除虫菊成分の天然物を使っています。

床下断熱

次は、床下断熱材。カネライトスーパーE3厚さ60㎜を標準としています。省エネ等級4。長期優良住宅の省エネルギー性。共に適合しています。

プレカット断熱材

断熱材は、図面に合わせてプレカットされて現場に搬入されます。隙間なく納まるので気密が良くなります。

写真は、スプレー式の吹き付け断熱材です。プレカットされた断熱材ですが、人間が施工している以上、極々僅かな隙間が生じる場所が発生します。その隙間をこの断熱スプレーで埋めています。

極々僅かな隙間であり、この上には合板が敷かれてしまうので、行う意味が有るかは自分自身でも疑問ですが、やらないよりは良いでしょう!!と思って施工しています。自己満足かもしれません・・・・・・。こんなどうでも良い細かい作業の積み重ねで気密が良くなるのだ!!と信じています!!

実付(さねつき)床合板

これでやっと1階床合板(厚さ24㎜)となります。実付(オスメス)合板なので気密も強度もバッチリです!!実付をきっちり納めるの結構大変なんですよ。ボンドと釘で固定しています。写真では確認できないのですが、合板はレンガ張りになっています。

防水気密テープ

床が完成すると、合板の継ぎ目に防水気密テープを貼ります。合板は実付(オスメス付)で合成であり気密もある程度は期待出来ますが、念には念をいれ全ての継ぎ目はテーピングしています。床合板の下には、プレカットされた床断熱材が隙間なく入っています。それでもテーピングをしています。

撥水コート

ツーバイは、屋根がかかるまで時間が掛かります。雨対策として1階と2階の床には、撥水コートをします。これで、雨が降っても合板に染み込む事はありません。

1階の縦枠開始

スタッドピッチは406㎜

壁内に入る柱(スタッド)の間隔(ピッチ)は、406㎜となります。日本のツーバイフォーですと455㎜ピッチとなります。この455㎜ピッチは、日本の在来工法と同じです。本物である北米のツーバイフォーは406㎜ピッチです。日本にツーバイフォーが伝わった時に、日本の仕様に変更されたのだと思います。

日本の建築士さん、大工さん共にフィートモジュールに対応できる方は少ないです。

日本の455㎜ピッチと本物の406㎜ピッチを比較すると、家全体に使うツーバイ材は約13%ほど406㎜の方が多くなります。壁内に入るスタッドが13%も多くなれば耐震性も上がります。これが本物です!!材木代も13%アップします!!

耐震等級などの申請で構造計算をすると、日本の455㎜と本物の406㎜は同じ扱いになります。406㎜ピッチを評価する計算方式が日本には無いのです。悲しい現実です。

構造計算の結果も同じ、材木代は高くなる、お客様は見ても分からない、フィートモジュールに対応できる設計士さん、大工さんも少ない、特殊な大きさの合板も使うので仕入れも大変。日本においてフィートモジュールにして良いことは1つもありません。よってこの本物のツーバイフォーで建てる会社は日本おいては、とても、とても少ないと思います。日本の全ての材料は在来工法が基本になっています。悲しいですね・・・・・

なぜ、やってんの??と良く同業者に言われます。

本物だから!!。耐震性が高いから!!。ドライウォールを正しく施工するにはフィートモジュールでないとできないから!!。と答えるのですが、正直ウッドショックのこの時期は辛いですね・・・・・でも日本の、なんちゃってツーバイはやりたくないです!!

1階の壁完了

この写真のポイントは、ドアや窓の開口部補強材です。開口部の上部はマグサと言う物で補強されています。

2階床

2階の床(1階の天井)は、2×10(38×235)の材料を使います。このピッチも406㎜となります。

2階床

2階の床は、4×8合板、大きなサイズを使っています。日本のツーバイは3×6を使います。大きな合板の方が継ぎ目が少なくなるので耐振性は高くなります。

2階の床にも、撥水材を塗布して雨対策をしています。白いテープは、気密テープです。1階は、床下から空気が室内に入る可能性があるので、必須ですが2階は必要ないのです。しかし、木造なので極々僅かな隙間があるであろう、と思い気密テープを施工します。

足場

2階壁

2階のスタッドピッチも406㎜です。

外壁合板 厚さ12㎜

外壁合板の厚さは4×8の大きなサイズで厚さ12㎜を標準としています。この4×8合板は、流通が少なく仕入れが大変です。今回はウッドショックでなかなか手配が出来ませんでした。理由は、こんな大きな合板を使う会社が少ないので日本においての流通量が少ないのです。しかし、フィートモジュールには欠かせない合板です。

とにかく、日本で本物のツーバイフォーであるフィートモジュールで施工することは、苦労します。外壁合板も継ぎ目が少ない大きな物を使えば耐振性は上がります。

外壁合板の厚さは12㎜。あの有名メーカーさんでも厚さは9㎜。サイズは3×8と小さな合板を使っています。

弊社は、4×8の厚さ12㎜。某有名メーカーさんは3×8の厚さ9㎜。構造計算をしても、結果は全く同じとなります。アメリカはツーバイフォーは弊社と同じです。しかーし!!なんと日本の構造計算の結果は同じです。悲しい!!!!!!

J GRADE

ツーバイ材に J GRADE と刻印されています。ツーバイ材はカナダ産です。北米で流通するツーバイ材と日本のツーバイ材は違います。日本向けのツーバイ材は J GRADE とされ、乾燥や反りなどのテストに合格した物だけが輸出されます。北米で流通するツーバイ材にはこのテストが無いので色もこんなに白くなく、反っているも当たり前です。

北米の大工さんいわく、日本人はわざわざ真っ白な材料を高く買っている。意味が無いと言うのですが、正直北米で流通してるツーバイ材は、日本では使えません。

ホームセンターでも、ツーバイ材は販売していますが、これも我々が使う物は違うようです。

床と壁の接するラインにコーキング

写真、壁と床の接する場所にい白いラインが有ります。これはコーキングを施工しています。木材と木材が接しているので、僅かな隙間が生じているはずです。その杉隙間から室内に空気が入らないように施工しています。(気密性が上がります)

これも、気密対策です。写真の場所はバスルームです。土台の上に壁が建っていいます。この場所は、気密テープを貼って気密性を上げています。土台下の黒いのは気密パッキンと言う空気の入らない基礎パッキンを使っています。

2階床根太貫通部コーキング

床根太の室内から室外に貫通する場所も室内に空気が入る可能性が有るのでコーキングします。こんな地道な作業で気密性が上がると思います。

屋根開始

本日は最後の材料である屋根が配達されました。まずは墨付けから。

妻壁

屋根タルキ

屋根のタルキピッチもツーバイシックスの406㎜です。

野地合板

6寸勾配なので、歩くのは少し怖いです。

ルーフィング

これで、雨が降っても大丈夫です。

透湿防水シートはタイベックシルバーが標準

タイベックシルバーを標準としています。一般的な物と比べ、遮熱性のある高級品です。価格は倍です。倍の価値が有るかは疑問ですが、今まで建ててきたお客様から家が暑い、寒いは、一度も言われた事はありません。断熱材が主な原因かと思いますが、このタイベックシルバーも一役かっていると思います。

FRP防水

これにて、建て方偏を終了致します。次は、内部造作編をご覧ください。